こんにちは。活性研の芥川です。
「老害」この言葉を聞くと胸がキュッとなります。
僕が代表を務めている「株式会社活性研」は、中高年の再起動をサポートし、今と未来に希望を作るというコンセプトの会社です。
今後いろいろなことをやっていこうと考えていますが、現在は「男性の更年期対策」という分野に注力して活動しています。
活性研と老害について
そもそも、活性研を設立するきっかけは、僕が妻に「老害化している」と言われたこと。
まだ44歳。まさか自分が?とショックを受けたことがスタートだったのです。
その後いろいろと調査するにあたり、身体的要因と社会的要因が大きな原因になっていることがわかってきました。
(身体的要因には「ストレス」と「男性の更年期」が大きな要因の一つであります)
そして、まずは身体的要因を解決するために有効な成分を含むサポートサプリメントを開発して今に至ります。
(おかげさまで、経営者や医師、アーティストなど個人で責任あるポジションにいる方から高評価をいただいています)
さてこのサプリ、実は最初「老害化対策」というテーマで商品開発を行っていました。
※こちらがその時のパッケージサンプルです。
流石に商品名に「老害」があるのはネガティブな印象を与えかねないとなりお蔵入りしたのですが、商品開発の根本には「老害化することへの恐怖感」というのがあったのです。
「老害」本当に嫌なものです。
老害は世の中の様々な仕組みのブレーキになります。
老害は周囲の人を不快にさせます。
そして、老害の人自身も、老害の原因となる様々な状況に苦しんでいます。
いつの間にか老害認定されていた自分。
「ゾンビ化する未知のウィルスに感染してしまった」ぐらいの衝撃がありました。
現在「老害」は社会的に大きな問題の要因になっているにもかかわらず、一個人の問題、精神論、マナー、中高年男性をくさすためのレッテルとしてしか認識されていないように思えます。
当事者としては、問題の構造から当事者も周囲の人も目をそらしている状況はあまり良くないなぁと感じておりまして、せっかくなので老害を多方面から深堀りしていくシリーズを書いてみようかなと思っています。
なぜ今、「老害」を考える必要があるのか
近年、多くの企業から「組織の新陳代謝が進まない」「イノベーションが起きにくい」という声が上がっています。
その背景には、単なる世代間の対立だけでなく、より構造的な問題が潜んでいるのです。
この問題、実は日本だけの問題ではなく世界で共通する課題になっています。
アメリカの事例:
シリコンバレーでの年齢差別(Ageism)問題
テクノロジー企業で40歳以上の従業員が「古い考えを持っている」という偏見に直面
Googleやfacebook(現Meta)などで年齢差別訴訟が提起される事例が増加
特に2010年代以降、ベテラン従業員の強制的な早期退職や若手優遇の採用方針が問題視
イギリスの事例:
NHS(国民保健サービス)における高齢医師の問題
新しい医療技術や治療法の導入に抵抗を示す高齢医師の存在
若手医師との治療方針の対立
電子カルテシステムの導入に対する抵抗
ドイツの事例:
自動車産業における世代間ギャップ
電気自動車への移行に対する経営幹部(多くが高齢者)の消極的な姿勢
特にVolkswagenでは、電気自動車戦略の遅れが経営陣の保守的な判断に起因するとの指摘
中国の事例:
国有企業における「老人政治」問題
高齢幹部が若手の昇進を妨げる
デジタル化への移行の遅れ
退職年齢を過ぎても影響力を保持し続ける現象
現在、老害問題は国や企業の生産性に関連して語られることが多いのですが、家族内や地域コミュニティの維持などでも潜在的に課題を抱えており、社会全体の課題として近く認識されていくのではないかと考えています。
「老害」の本質的な特徴とは
「老害」という言葉は、高齢者による若い世代への悪影響や、組織における非生産的な言動や態度を指す俗語として広く認識されています。
(ちなみに英語の近しい言葉では「Fozen Middle(フローズン・ミドル)」と呼ばれます。)
この現象は、単なる世代間対立という表層的な問題ではなく、社会構造の変化、価値観の多様化、そして組織におけるパワーダイナミクスが複雑に絡み合った現代社会の課題として捉える必要があるようです。
組織の現場で観察される老害の典型的なパターンとして、以下の3つが挙げられます:
過去の成功体験への過度な執着
かつての成功体験が「思考の枠組み」として固定化されてしまい、環境変化への適応を妨げているケース。
特に1990年代に成功体験を持つ層に多く見られる傾向です。
権威主義的なコミュニケーション
「経験」を「権威」と混同してしまい、建設的な対話が阻害されるケース。
ただし、これは単純な性格の問題ではなく、組織構造やキャリアパスの設計とも深く関連しています。
変化への抵抗
既存の制度や慣習を守ろうとするあまり、必要な変革や革新的なアイデアの導入を妨げる傾向があります。
この「変化への抵抗」は、組織の成長や発展を阻害する要因にも。
変革への抵抗は、実は「変化への不安」が根底にあるとされます。
老害の要因分析
老害が生じる背景には、以下のような要因があるようです。
社会構造的要因
・急速な技術革新と社会変化
・従来の年功序列システムの限界
・世代間での価値観や経験の大きな差異
心理的要因
・変化への不安や恐れ
・既得権益を失うことへの抵抗
・自己の経験や知識への過信
・若い世代への不信感や理解不足
組織的要因
・硬直化した人事システム
・不明確な役割期待
・世代間交流の機会不足
・評価制度の不備
身体的要因
・加齢に伴う認知機能の変化
・決断や判断のスピードの低下
・新しい情報の処理能力の減少
・疲労回復力の低下による柔軟な思考の阻害
・聴覚や視覚機能の低下によるコミュニケーションの困難さ
・睡眠パターンの変化による業務効率への影響
急速に変化していく社会のルールと常識。
変化が少ない時代に構築された制度設計。
変化に対応できない心身と、そのストレス。
このような状況があいまって、少しずつ中高年を老害化してしまうようです。
老害による問題を解決するために
老害の問題は個人の努力だけでなく、周囲のサポートや組織的な取り組み、そして社会全体での制度設計が必要だとわかってきました。
特に重要なのは、これらの取り組みが互いに連携し、補完し合う形で実施されることです。
老害を「個人の問題」として片付けるのではなく、社会全体で取り組むべき課題として認識し、それぞれのレベルで適切な対応を行っていくことが、持続可能な解決につながるのだろうなと思われます。
おわりに
改めて老害について調べていくと、自分と周囲の関係性の問題だけでなく、社会全体の生産性や発展性に対して潜在的に大きな問題になっているのだとわかりました。
もしかしたら、先進国全体に起こっている停滞感は老害問題が根本にあるのかもしれません。
妻や子ども、友達と仲良く楽しくできればそれで幸せ、と考えていたのですが。
「老害」この問題を解決できると世界を大きく変えることが出来るかもしれません。
これから少し深掘りをしていきましょう。