40-50代となり「何かが若いころとは違う」「病気とまではいかないが、活力がない」と感じている方はすくないないでしょう。その変化は、男性ホルモン(テストステロン)の減少によって起こる男性更年期障害の可能性があります。実はそういった症状は、日々の生活習慣を少し工夫するだけで、予防や改善が可能です。
特に重要なのは、テストステロンを増やすための食べ物を意識して選ぶことと、不足しがちな栄養素をサプリメントで補うことです。この記事を読めば、忙しい日々の中でも無理なく取り入れられる方法がきっと見つかります。
男性更年期障害に効く食べ物とは?
「食事で更年期対策」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、外食が多い方や料理が苦手な方でも、コンビニやスーパーで手軽に購入できる食品で簡単に始められます。
テストステロンの生成をサポートする食べ物
1. タンパク質を豊富に含む食品
鶏肉、赤身の牛肉・豚肉、魚介類(サケ、マグロ、イワシ)、卵(黄身も含む)、大豆製品(豆腐、納豆、味噌)などに多く含まれます。
筋肉の維持やテストステロンの生成には欠かせない栄養素。必須アミノ酸を含む食品を積極的に摂りましょう。
手軽に取り入れるには、コンビニのサラダチキン、ゆで卵、プロテインバー、魚惣菜(焼きサケやサバ)を活用しましょう。
2. 亜鉛を含む食品
牡蠣(亜鉛が豊富)、カニ、エビ、ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)、全粒穀物(玄米や全粒パン)などに多く含まれます。
亜鉛はテストステロン生成をサポートする酵素の働きを助ける重要なミネラル。不足すると男性ホルモンが低下する恐れがあります。実は日本人の約4人に1人が亜鉛不足という統計もあり、現代人の食生活では不足しがちな栄養素です。
手軽に取り入れる方法には、ミックスナッツ、サバやサケ缶(水煮がおすすめ)、納豆や魚卵系のおにぎり(焼きたらこなど)を選びましょう。
3. ビタミンDを含む食品
サケ、サバ、イワシなどの青魚、干しシイタケ、卵黄、牛乳などに多く含まれます。
ビタミンDはテストステロンの生成を促すだけでなく、骨の健康にも役立ちます。特に屋内での仕事の方で紫外線を浴びる機会が少ない方は、皮膚でのビタミンDが生成されないため、意識して摂取したいですね。
手軽に取り入れるには、キノコ類を含む料理や、サケ缶やサバ缶、卵サンドイッチを選ぶと簡単です。
4. 抗酸化作用のある食品
ほうれん草、トマト(リコピン豊富)、ブロッコリー、パプリカ、ブルーベリーやイチゴなどのベリー類などに多く含まれます。
抗酸化物質は体内の炎症を抑え、ホルモンバランスを整える効果があり、テストステロン生成にも良い影響を与える可能性があります。
手軽に取り入れるには、コンビニのサラダ(ブロッコリーやトマト入りがおすすめ)、野菜スティック、冷凍ブルーベリーなどを活用してください。
足りない栄養素はサプリメントで
忙しい日々の中で全ての栄養素を食事だけで補うのは難しいこともあります。そんなときは、不足しがちな成分をサプリメントで補うのがおすすめです。
1. 亜鉛サプリメント
30~64歳の男性の亜鉛の推奨摂取量は1日45mgほどです。その量を目安に摂取してください。亜鉛はテストステロン生成をサポートしますが、過剰摂取には注意が必要です。摂りすぎると銅の吸収を妨げたり、消化不良を引き起こす可能性があります
2. ビタミンDサプリメント
特に冬場や屋内生活が多い人におすすめです。脂溶性ビタミンなので食事と一緒に摂ると吸収効率が上がります。
3. オメガ3脂肪酸サプリメント
魚油由来のオメガ3脂肪酸サプリメントは抗酸化作用による抗炎症作用があり、ホルモンバランスを改善する効果が期待されます。空腹時での吸収は良くないため食後直ぐの服用が効果的です。
4. マカやトンカットアリ
これらの植物由来のサプリメントはストレスホルモンを抑え、性腺刺激ホルモンを活性化させ、テストステロンの生成を促進します。
コンビニ食でも更年期対策は可能
「いつもコンビニだから食事で対策なんてムリ!」と思う方もいるかもしれませんが、じつは、コンビニは男性更年期対策の味方です。選び方次第で栄養をしっかり補えます。
いつもの食事で栄養素が足りないと感じるときは焼き魚弁当やサバ缶、ブロッコリー入りのサラダ、魚惣菜、スープで一品プラスすればバランスよく栄養が摂取できます。
また、おやつにはナッツ類やプロテインバー、ブルーベリーなどを意識してとることで更年期対策ができます。日々の小さな積み重ねが健康を支えてくれるものです。できることから取り入れていくことが大切です。
男性更年期にNGな食べ物
1.糖質の多い食品
男性更年期対策に取り組む中で、避けるべき食品もあります。菓子パンやスイーツなど糖質を多く含む食品は血糖値を急上昇させ、ホルモンバランスを乱す原因になります。
2.高脂肪・トランス脂肪酸を含む食品
揚げ物やスナック菓子は体を錆びさせてしまい、男性ホルモンの生成を阻害します。
3.加工肉食品
ウインナーやハムなどの加工肉は添加物が多く、ホルモンバランスに悪影響を及ぼす可能性があります。
まとめ
男性更年期障害を予防・改善するには、テストステロンの分泌を促進する食べ物を意識して選ぶことが大切です。また、食事で不足しがちな栄養素はサプリメントで補い、日々の生活に手軽に取り入れられる方法を工夫しましょう。さらに、忙しい方でもコンビニやスーパーを活用すれば、簡単に健康的な食生活を実現できます。
今すぐできることから始めて、健やかで活力あふれる毎日を目指しましょう。男性更年期障害の改善は、日々の小さな選択の積み重ねで実現できます!
この記事の監修者
伊勢呂 哲也
医療法人インテグレス理事長
大宮エヴァグリーンクリニック 理事長・院長
東京泌尿器科クリニック上野/
池袋消化器内科・泌尿器科クリニック/
新橋消化器内科・泌尿器科クリニック 理事長
泌尿器科・消化器科の専門領域で年間3万人の外来診察を行う。著書、テレビ出演歴多数。専門Youtubeチャンネルは18万人以上の登録者(2025年1月現在)
伊勢呂哲也Youtubeチャンネル