40~50代の男性が感じる不調の原因
40代から50代にかけて、体調や気分の変化を感じる男性が増えます。これには、慢性的なストレスから自律神経が乱れることによって生じる体調不良や、「男性更年期」と呼ばれるホルモンバランスの変化が影響していることがあります。
これらによりイライラや集中力の低下、睡眠障害などの症状が現れ、仕事や家庭生活に支障をきたすこともあります。本記事では、40~50代の男性が感じる体調不良の原因や男性更年期の兆候について解説します。
体調不良の原因はストレス?男性更年期の兆候
仕事の責任が増し、家庭でも役割が重くなる40~50代の男性は、慢性的なストレスにさらされがちです。ストレスが長期間続くと、自律神経のバランスが崩れ、睡眠障害や胃腸の不調、倦怠感といった症状が現れます。
また、体調不良の原因には「男性更年期」が関係している可能性もあります。男性更年期とは、男性ホルモン(テストステロン)の分泌量の減少によって現われる様々な症状のことを言い、これにより、疲労感が抜けにくくなり、筋力の低下や動悸などを感じることもあります。
40〜50代の男性が実践すべきメンタルケア方法
ストレス管理
ストレスはさまざまな不調の原因となり得るため、精神的な安定を保つためには、適切なストレス管理を行う必要があります。また、日頃の仕事や家事などでストレスに感じていることがないかを確認することも大切です。
ポジティブ思考と気持ちを整理する方法
ポジティブな思考をもつことは、精神的な安定に役立ちます。例えば、日記をつけて1日の中でよかった出来事を記録したり、相手に感謝の気持ちを伝える習慣を持ったりすることで、前向きな気持ちになることができます。
また、ストレスや不安を感じたときに、信頼できる人に話をするのも有効な方法の1つです。
日常生活でできるストレス軽減法
日々の生活の中で、ストレスを減らす工夫を取り入れましょう。規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠を確保することが基本です。また、食生活を見直し、バランスの取れた食事を心がけることも重要です。
また、ストレスを減らすために運動などを取り入れると良いでしょう。例えば、ウォーキングやヨガなどの軽い運動を習慣化することで、リラックス効果を得られるでしょう。また、深呼吸や瞑想を取り入れるのもおすすめです。ご自身に合ったストレスケアを取り入れてみてください。
心理的サポート:カウンセリングやサポートグループの利用
一人で悩まず、専門家の助けを借りることも大切です。カウンセリングを受けることで、自分の気持ちを整理し、前向きな対処法を学ぶことができます。また、同じ悩みを持つ人たちとの交流を通じて、共感や励ましを得ることもできます。
男性更年期による精神的不調を疑ってみよう
前述のように精神的な不調には男性更年期が関わっている可能性があります。
男性更年期では自律神経の乱れによりさまざまな症状が生じますが、これは身体的なものだけでなく、精神的な変化としても現れるのです。具体的にはイライラしやすくなったり、不安感が強まったりすることがあります。また、仕事への集中力が低下し、記憶力や判断力の鈍化を感じることもあります。
そのため、これらの症状を感じたら、男性更年期を疑ってみましょう。
男性更年期と向き合うための心構え
心の準備と自分を理解することの重要性
男性更年期の症状に悩まされる前に、自分の心身の変化を理解し、前もって心の準備を整えることが重要です。まず、自分の体調の変化を客観的に観察し、ストレスの原因や生活習慣を見直しましょう。定期的に健康診断を受けることも有効です。
男性更年期を恐れず、前向きに受け入れるために
更年期は自然な身体の変化であり、決して怖いものではありません。無理に抵抗するのではなく、前向きに受け入れる姿勢をもつことで、ストレスを減らし、より健康的な生活を送ることができるでしょう。生活環境の見直しや趣味を楽しむことも、前向きな気持ちを維持するのに役立ちます。
まとめ:心と体のケアを両立させるために
心のケアと身体のケアのバランスを取る
男性更年期に限らず、イライラや不安感など何らかの不調がある場合、心と身体のケアをバランスよく行うことが大切です。精神的な安定を保ちながら、適度な運動や健康的な食事を取り入れることで、より良い生活を送ることができます。
今すぐ実践できるケア方法
今日からできる簡単なケア方法をご紹介します。リラックスできる時間を確保し、ストレスを溜め込まないようにしましょう。無理をせず、自分のペースで更年期と向き合うことが大切です。自分の変化を受け入れ、前向きに行動することで、より充実した毎日を過ごせるようになるでしょう
【参考文献】
一般社団法人日本内分泌学会.”男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)”.一般の皆様へ.2024年12月10日,https://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=71(参照2025-1-31)
日本泌尿器科学会/日本Men’s Health医学会「LOH症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会.加齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き.じほう、2007年.
この記事の監修者

伊勢呂 哲也
医療法人インテグレス理事長
大宮エヴァグリーンクリニック 理事長・院長
東京泌尿器科クリニック上野/
池袋消化器内科・泌尿器科クリニック/
新橋消化器内科・泌尿器科クリニック 理事長
泌尿器科・消化器科の専門領域で年間3万人の外来診察を行う。著書、テレビ出演歴多数。専門Youtubeチャンネルは18万人以上の登録者(2025年1月現在)
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