あなたのその不調、自律神経の乱れや男性ホルモン低下かも? – 40・50代更年期世代男性の体調不良とその解消法

あなたのその不調、自律神経の乱れや男性ホルモン低下かも? - 40・50代更年期世代男性の体調不良とその解消法

最近、疲れやすさやイライラ、眠れないといった体調不良を感じることはありませんか?
特に40代から50代の男性に多く見られるこれらの症状は、加齢だけでなく、自律神経の乱れや男性ホルモン(テストステロン)の低下が関係している可能性があります。

本記事では、「自律神経と体調不良の関係」や「男性更年期障害の可能性」について詳しく説明します。自分の不調の原因を知ることで、適切な対策を講じ、生活の質を向上させましょう。

体調不良と自律神経の関係

自律神経は、私たちの体調を左右する重要な役割を担っており、これが乱れると、慢性的な疲労や睡眠障害、精神的な不調が引き起こされることがあります。

自律神経とは?体調にどのように影響するか

自律神経とは、私たちの体のさまざまな機能を無意識にコントロールする神経系であり、交感神経と副交感神経の2つから構成されています。
交感神経は活動時に活発になり、副交感神経は休息時に働きます。これらが適切に機能すれば健康を維持でき、逆にストレスや生活習慣の乱れによってバランスが崩れると、体調不良の原因となります。

自律神経が乱れる原因とその影響

自律神経の乱れは、ストレス、不規則な生活習慣、加齢によるホルモンバランスの変化などが原因で起こります。仕事のプレッシャーや人間関係のストレスが続くと、交感神経が過剰に働き、副交感神経の働きが弱まります。また、睡眠不足や運動不足、栄養が偏った食生活も自律神経のバランスを崩す要因となります。

こうした要因が重なると、疲れやすくなり、集中力が低下します。これにより、気持ちが不安定になりやすくなり、日常生活に支障をきたす可能性があるのです。

男性の自律神経が乱れる原因:ストレス、生活習慣、そしてホルモンバランス

男性の自律神経は、ストレスや生活習慣の乱れ、加齢によるホルモンバランスの変化が原因で乱れることがあります。

ストレスと生活習慣が自律神経に与える影響

現代社会では、仕事のプレッシャーや家庭の責任など、さまざまなストレスが積み重なります。ストレスが続くと交感神経が過剰に働き、血圧の上昇や不眠、消化機能の低下といった症状が現れやすくなります。また、運動不足や偏った食生活が続くと、副交感神経の働きが弱まり、体の回復が遅れがちになります。
この悪循環を断ち切るためには、ストレスを適切に管理し、規則正しい生活習慣を身につけることが大切です。

男性ホルモン(テストステロン)の低下と自律神経の乱れ

テストステロンは、筋肉の維持や精神の安定、活力の向上に関与するホルモンです。テストステロンの分泌が加齢により減少すると、ストレス耐性が低下し、気分の不安定や睡眠の質の低下が生じます。
その結果、自律神経のバランスが崩れ、慢性的な疲労や抑うつ症状を引き起こすことがあります。

自律神経の乱れが引き起こす体調不良、そして男性更年期の兆候

自律神経の乱れが続くと、日常生活にさまざまな影響が生じます。特に、40代から50代の男性では、男性更年期の症状と関連することもあります。

体調不良として現れる自律神経の乱れの症状

自律神経の乱れによる症状は多岐にわたります。代表的なものとして、疲労感、不眠、動悸、発汗、ほてり、イライラ、集中力の低下、抑うつ感などが挙げられます。そして、これらの症状が長期間続く場合は、単なる疲れではなく、男性更年期障害の可能性があります。

自律神経と男性ホルモンの関係を知る

男性更年期障害は、男性ホルモンの1つであるテストステロンの減少と深く関わっています。テストステロンが減ると、自律神経の調整機能が弱まり、ストレス耐性が低下しやすくなります。その結果、交感神経が過剰に働き、副交感神経の機能が低下してしまうのです。これにより、疲労感や不眠、気分の不安定さは増します。

このように、男性ホルモンの減少と自律神経の乱れは密接に関連しており、男性更年期に現れる自律神経関連の症状は、自律神経のバランスを整えることで症状の軽減が期待できます。

自律神経の乱れを改善する方法と予防策

自律神経のバランスを整えるためには、生活習慣を見直し、心身のケアを意識することが重要です。

生活習慣の改善で自律神経を整える方法

自律神経を安定させる第一歩は規則正しい生活を送ることです。毎日、同じ時間に起床・就寝し、朝日を浴びることで体内時計を整えましょう。
また、適度な運動はストレス解消と自律神経の安定に繋がります。食事面では、ビタミンB群やマグネシウムを含む食品を積極的に摂取すると、自律神経の機能をサポートできるでしょう。

ストレス管理とリラクゼーションの重要性

自律神経を整えるためには、ストレスを適切に管理することも欠かせません。
深呼吸や瞑想、ヨガ、趣味の時間をもち、リラックスできる環境を整えましょう。また、入浴やアロマセラピーも副交感神経を活性化させる効果があります。

こうしたストレス対策を取り入れることで、自律神経の乱れが引き起こす体調不良の軽減が期待できます。しかし、40代以降の男性では、単なるストレスや生活習慣の影響だけではなく、加齢によるホルモンバランスの変化も影響している可能性があります。特に、テストステロンの低下は、自律神経の働きに大きく関与しており、これによる男性更年期の症状が現れることもあるのです。[1] 

男性更年期の予防と対策:自律神経のケアで体調不良を改善

男性更年期を予防し、健康的な生活を維持するためには、早めの対策が重要です。自律神経のバランスを整え、男性ホルモンの低下を防ぐことで体調を安定させることができるでしょう。

男性更年期を知り、早期に対処することが大切

男性更年期は加齢とともに進行し、放置すると生活の質が低下する可能性があります。疲労感や気分の不安定が続く場合、加齢のせいと決めつけず、早めに対応することが大切です。定期的な健康診断を受け、ホルモンバランスの変化を把握し、必要に応じて専門医に相談しましょう。

男性更年期に対する医療的アプローチとサポート

症状が強い場合は、専門医の診察を受け、ホルモンバランスの検査を行うのが有効です。ホルモン補充療法はテストステロンの減少による症状を緩和し、体調の安定に役立ちます。また、先述のように生活習慣の改善やストレス管理も重要です。医療機関では個々の症状に応じた治療プランが提案されるため、専門家と相談しながら最適な方法を選びましょう。

まとめ:自律神経の乱れと男性更年期の関係を理解し、予防と対策を講じる

男性更年期を予防し、健康を維持するためには、自律神経のバランスを整え、男性ホルモンの低下を防ぐ必要があります。

自律神経のバランスを保ち、体調を改善しよう

自律神経のバランスを整えることは、日常の体調改善に加え、男性更年期の症状緩和にも効果的です。規則正しい生活習慣や適度な運動、十分な休息を心がけることで、ストレスが軽減され、自律神経が正常な状態に保たれます。特に、男性更年期ではホルモンバランスの変動とともに自律神経の乱れが生じやすいため、早期の対策とケアが大切です。

体調不良に悩んでいる男性へ、早期の対処をお勧めします

症状が強い場合は、専門医に相談し、ホルモンバランスの検査を受けるとよいでしょう。ホルモン補充療法は、テストステロン低下による症状の緩和に役立ちます。また、生活習慣の改善やストレス管理も欠かせません。医療機関では、個々の症状に応じた治療が提案されるため、専門家と協力して最適な方法を選びましょう。

【参考文献】
日本泌尿器科学会, 日本メンズヘルス医学会, & LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き作成委員会. (2022). LOH症候群(加齢男性・性腺機能低下症)診療の手引き. 医学図書出版. https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/44_loh.pdf
日本泌尿器科学会,日本 Men’s Health 医学会「LOH 症候群診療ガイドライン」検討ワーキング委員会:加 齢男性性腺機能低下症候群診療の手引き,じほう,2007, https://www.urol.or.jp/lib/files/other/guideline/30_loh_syndrome.pdf

この記事の監修者

伊勢呂 哲也

医療法人インテグレス理事長
大宮エヴァグリーンクリニック 理事長・院長
東京泌尿器科クリニック上野/
池袋消化器内科・泌尿器科クリニック/
新橋消化器内科・泌尿器科クリニック 理事長

泌尿器科・消化器科の専門領域で年間3万人の外来診察を行う。著書、テレビ出演歴多数。専門Youtubeチャンネルは18万人以上の登録者(2025年1月現在)
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