はじめに
最近、なんとなく体がだるい、イライラすることが増えた、やる気が出ない、というような症状に悩んでいませんか?もしかすると、それは単なる疲れや年齢のせいではなく、「男性更年期障害(LOH症候群)」かもしれません。
AMS診断を受けられたあなたは、すでに自分の体と向き合う第一歩を踏み出しています。
この記事では、AMS診断の結果をより深く理解し、あなたが経験している症状が男性更年期障害とどのように関連しているのか、そして、なぜ今すぐ対策を始めるべきなのかについてお伝えします。
男性更年期障害(LOH症候群)とは何か
男性更年期障害は医学的には「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群:Late-onset hypogonadism)」と呼ばれ、加齢やストレスによる男性ホルモン(テストステロン)の低下によって引き起こされる様々な症状の総称です。
「更年期障害」という言葉から、女性の更年期障害と同じものと思われがちですが、重要な違いがあります。
女性の場合は閉経という明確な生理的変化があり、比較的短期間(数年)で女性ホルモンが急激に減少します。
一方、男性の場合は30代から徐々にテストステロンが減少し始め、40代半ば〜60代にかけて症状が顕著になることが多いのです。

日本泌尿器科学会の調査によると、日本人男性の約30%が何らかの男性更年期障害の症状を経験しているとされています。つまり、あなたは決して一人ではないのです。
男性更年期障害の主な症状
AMS診断では多くの症状について質問されたことでしょう。男性更年期障害の症状は大きく3つのカテゴリーに分けられます:
身体症状 |
・疲労感や体力の低下 ・筋肉量の減少と体脂肪の増加(特に腹部) ・関節痛や筋肉痛 ・発汗の増加(特に夜間) ・睡眠の質の低下 |
精神症状 |
・意欲や集中力の低下 ・イライラや不安感の増加 ・抑うつ気分 ・記憶力の低下 ・自信の喪失 |
性機能関連 |
・性欲の減退 ・勃起不全(ED) ・朝立ちの減少や消失 |
あなたのAMS診断結果と照らし合わせてみてください。いくつの症状が当てはまりましたか?
複数の症状が見られる場合、それは偶然ではなく、男性ホルモンの低下という一つの原因から生じている可能性が高いのです。
男性更年期障害が及ぼす影響

男性更年期障害は単なる「年齢のせい」として片付けられがちですが、放置することで生活の様々な面に深刻な影響を及ぼします:
仕事への影響
集中力や記憶力の低下は、仕事のパフォーマンスを直接的に低下させます。
以前なら簡単にこなせていた業務でミスが増える、新しい情報を覚えられない、会議中に集中できないといった問題が生じることがあります。
これがさらにストレスとなり、症状を悪化させる悪循環に陥りやすいのです。
家庭生活への影響
イライラや不安感の増加は、家族との関係性にも影響します。
些細なことで怒りを爆発させたり、無気力になって家族との時間を避けたりすることで、大切な人間関係が損なわれることもあります。
「最近、パパ(夫)が変わった」と家族に思われていませんか?
将来的な健康リスク
男性ホルモンの低下は、長期的には以下のような健康リスクを高めることが分かっています:
- 心血管疾患のリスク増加
- 骨密度の低下(骨粗しょう症)
- 2型糖尿病の発症リスク増加
- 認知機能の低下
つまり、男性更年期障害は「なんとなくつらい」だけの問題ではなく、あなたの人生の質と長さに関わる重要な健康問題なのです。
なぜ今すぐ対策が必要なのか

「そのうち良くなるだろう」「もう少し様子を見よう」と思っていませんか?
残念ながら、男性更年期障害は時間が解決してくれる問題ではありません。むしろ、放置すれば状況は悪化し、回復にも時間がかかるようになります。
早期対応が重要な理由は以下の通りです:
- 症状の進行を止められる: 適切な治療や生活改善により、症状の進行を止め、改善することが可能です。
- QOL(生活の質)の迅速な回復: 今苦しんでいる症状の多くは、適切な対策により数ヶ月で改善が見られることがあります。
- 二次的な問題の予防: うつ病や生活習慣病など、男性更年期障害から派生する可能性のある健康問題を予防できます。
- 家族関係・職場関係の悪化を防ぐ: 症状が重くなる前に対処することで、大切な人間関係を守ることができます。
ある55歳の会社役員の方は、40代半ばから感じていた疲労感と集中力低下を「年齢のせい」と放置していました。
しかし、ミスが増えて重要なプロジェクトに影響が出始めたため、思い切って専門医を受診。
適切な治療と生活改善を始めることで、「30代の頃の元気が戻ってきた」と実感されたそうです。
このように、男性更年期障害は適切に対処すれば、改善の余地が大いにあります。
次は男性更年期障害の具体的な対策方法について理解していきましょう。